家事屋の本棚の最近のブログ記事

手紙:東野 圭吾

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先日、秋葉原で通りすがりの人を連続して7人も刺し殺した恐ろしい事件が起きました。

私は、その時営業ついでに偶然神田におりまして、アキバに行こうかなあなどと考えていましたが、休日のアキバは人混みがすごいので今度にしよう、ということで何となく延期したために今ここでパソコンの前に座っているこの幸せ。

ところで、この事件で思い出したのが最近読んだ東野圭吾の『手紙』です。

「強盗殺人犯の弟」というレッテルのために、自分は何も悪いことをしていないのに有形無形様々な差別に会い、疎まれ、避けられ、結果として夢や恋愛を諦めなければならず、差別と向かい合っていかなければならない、というお話です。ベストセラーなので沢山の方が読んでいるだろうという前提で、以下ネタバレモードで書きますので、未読の方はここでストップ。

通常、こうした凶悪な事件をニュースなどで見聞きした時に、よくその犯人の家族は「その怪物を育ててしまった加害者」として描かれがちですが、実際にはその事件により人生が一変してしまい、周りから白い目で見られ、遺族からは恨まれ、場合によっては以後何代にもわたって後ろ指をさされて生きていかなければならないという意味で、「被害者」としての側面が多分にあります。

このアキバの殺人犯の家族にも当然事件に対して直接の責任は無いわけなのですが、もしこの家族が自分の身近にいたら、ものすごく友達になりたいかというとそうではなく、むしろ無意識的にでも距離を置いてしまう人が多いはずです。本書の中でもこの状態を「普通の人間が取る(当然の)自衛的な行動」として描いており、そして、この家族に対する差別的な扱いこそが、罪を犯した本人への罰の一つになっていると解釈しています。このように考えたことはありませんでしたが、確かに自分のせいで家族が辛い目にあっていると思ったらやりきれない思いでしょうし、自分はなんてことをしてしまったのだろうと反省もするでしょう。でも、とばっちりを受ける家族の方はたまったもんではありません。

繰り返すようですが、家族に責任はありません。親の教育がどうのこうのという人もおり、一部では幼児期に虐待を行ったせいであるなどと報道されているようですが、それは人を殺すことと直接関係ありません。(事実であれば、もちろんその境遇に同情はしますが)

結局、主人公は新しい自分の家族を守るために、ある意味自分のために罪を犯してしまった兄に対して、絶縁という苦渋の決断するわけですが、本当ならそこまでしなくても良いはずではないでしょうか。今後、このアキバの連続殺人犯と親・親戚との関係がどうなるかは分りませんが、社会的な制裁はあくまでも本人にのみ課されてしかるべきだと家事屋は考えます。

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落日燃ゆ:城山三郎

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先日の新聞で城山三郎氏の訃報を伝える記事をみました。

つい先日、城山氏の著書を読んでいたく感じ入ったばかりだったために、ホロリときました。

歴史小説は好きなのですが、戦前~戦後を描いた作品はあまり読んだことがありませんでした。広田弘毅は外務大臣の印象が強いのですが、首相もやっていたことあったんですね。

この本を読んでいると、憎まれっ子世に憚るというか、正直者はバカを見るというか、どうしてもそっち方面の印象が残ってしまいますが、学ぶべきは汚い人間に囲まれても潔さを失わない人間の高潔さなんですよね。今となっては、身を尽くす対象が国家であったり国体(当時は天皇陛下)であったりということはほとんどないと思いますが、自分が信じたもののために全身全霊をかけて尽くし、不利になっても決して裏切ったりしない。人のせいにしない。そんな人間に、家事屋もなりたいと思います。

ある広告人の告白:David Ogilvy

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家事屋も真剣に広告について考えなければいけないなあ、と考えていた今日この頃いかがおすごしですか?

家事屋は広告については素人なので、キャッチコピーやブランド関連の本をいくつか本を読んでみたのですが、なんとなく町の工務店っぽいというか、神田正則のマネというか、そんな内容ばっかりだったので、ここで一度オーソドックスにあたってみようと思い、この本を手にとりました。

かなり古い本ですが、その割にはコピーについての原則は新鮮です。ありがたく参考にさせていただきます。ただ、全体的にマス広告を前提として書かれているので、ニッチなローカル広告を前提とした商売を行っている家事屋にはそんなに関わらない内容が多かったです。初期認知媒体としての雑誌広告の扱い方は今後の参考としておきましょう。

 広告会社でクリエイティブを担当するライターやディレクターという人々は、どうやら一筋縄ではいかない人々が多いようです。家事屋の相手にしている人々も、相当に一筋縄ではいかないのですが、広告人たちは必要以上にプライドが高く、自信家であるらしく、弊社のスタッフはそういうのは無いのが良かったなあと思う今日この頃です。

日経Priv

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日経Priv(プライブ)という雑誌にて弊社サービスが紹介されました。といってもほんの少しだけですが。

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この雑誌は日経ビジネスの定期購読者向けに作られた、働く女性向けのビジネス誌で発行部数は20万部。ある意味天下の日経ビジネスに載った、と言えないこともありません。(言えないか!?)

この取材は、最初お客様を装って電話をかけてきたもので、えらく細かいことまで聞くお客様だな、と思って答えていたら、後で「取材ありがとうございました」というメールが来たのでした。なるほど、ビジネス誌という雑誌の特性上、やはり客観性の高い取材を行う必要があるのでしょうか。色々な方法があるものですね。

これが呼び水となって、他の方からも取材依頼が来ますように!

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この本の表紙の写真を見るとよく分かるのですが、彼はすごく深く、綺麗な、でも強い目をしています。自信に満ちた人間の、欲の無い美しい目だと思います。

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サム・ウォルトンは言うまでも無く米国ウォルマートストアーズ(http://www.walmartstores.com/)の創業者であり、この会社のNet Salesは$285,222(33.1兆円)とダントツで売上世界一。(Net Incomeは$10,267(1.2兆) )世界一の安売り会社の売上げが世界一というのは感動的です。ちなみにサム・ウォルトンはこの本が出版された直後の92年に亡くなっていますが、その遺産を受け継いだウォルトンファミリーの資産合計は10兆円を超え、8年連続世界一の富豪であるBill Gatesよりも多いそうです。

 凄まじいの一言ですが、彼自身はほとんどお金に執着することなく、車は猟犬用の檻をのせた古ぼけたトラックに乗り、会社のロゴ入りの防止をかぶり、散髪は町の床屋で済ませるという質素なライフスタイルが好感度大ですな!

私も縁あって一般消費者を顧客とする個人向けサービス業に身を置いているわけで、その意味で小売業:とくにチェーンストア展開している小売から学べることは数多くあると考えています。

彼がやってきたことを見ていると、言葉にしてしまえば当たり前のことを徹底的に行ってきたのだと分かります。つまり、顧客を全ての中心において、日々改善を繰り返すこと。昨日と今日が同じであってはならない、ということを従業員に言い続け、自分でもそれを実践する。言うは易く行うは難し、ですな・・。

改善を繰り返す、というと漠然としていますが特徴的なのは自分でアイデアを出すことはもちろんのこと、積極的に他社の良いところを盗むという点でしょう。
 とにかく負けず嫌いで、あらゆる点で勝負に拘る姿は感動的です。ウォルマートといえば、その高度な情報システムや価格戦略、出店戦略などがフォーカスされがちですが、この経営者の勝負にかける情熱と野心のデカさこそが、ウォルマートの成功の原動力であることは間違いないでしょう。


~成功のための十か条~

1.あなたの事業に夢中になりなさい
2.利益を全ての従業員と分かち合いなさい
3.パートナーたちの意欲を引き出しなさい
4.出来る限りパートナーたちと情報を共有しなさい
5.誰かが会社の為になることをしたら、皆の前で惜しみなく賞賛しなさい
6.成功を祝い、失敗の中にユーモアを見つけなさい
7.全ての従業員の意見に耳を傾けなさい
8.お客の期待を超えなさい
9.競争相手よりも経費を抑えなさい
10.逆流に向かって進みなさい

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魔王:伊坂幸太郎

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友人に薦められて、初めて伊坂幸太郎作品を読みました。

ともすれば流されがちな日本人に対する警鐘とも思われる内容。なるほど、「頭のいい人々」の作りあげる情報や状況を鵜呑みにせず、自らに対して「考えろ、考えろ」を繰り返し、そして正しいと思ったことは勇気を持って行動できる人、クラレッタのスカートを戻した名も無いイタリアの人のような人になりたいもの。

アンダーソンの家が燃やされる場面で、いくらアメリカに対する反発が強まったところで、流石にこんなことは起きないんじゃないの!?とも思いましたが、これがアメリカ人ではなく、在日の韓国人・朝鮮人であったなら現実でも十分に起こりえるなと思い直し少し怖くなりました。カリスマ性をもった独裁者や扇動者が魔王なのではなく、魔王はそういう流されやすい大衆の中にいるんだなと。

でも、フィクションとは言えちょっと設定が非現実的過ぎる気が。個人的に超能力みたいなものは反則だと思っているからでしょうかね。


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東京タワー:リリー・フランキー

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リリーフランキーの東京タワーを読んで、不覚にも涙してしまいました。親孝行せなアカンなぁ、と思います。

私のオカンも、筆者のオカンのように「若い子は常に腹を空かせている」と思っているフシがあり、私が友人を連れて家に帰ると、常にたくさんのオカズを出してもてなしてくれたものでした。今にして思うと、学生時代には夜中の12時近くに友人10人近くを連れてあがりこみ、大騒ぎしていたにも関わらず文句ひとつ言わずにもてなしてくれた家事屋のオカン&オトンの偉大さを感じずにはいられません。

ありがとう!オカン!

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【東洋経済】偽りのロハス

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東洋経済の記事をみて、久々に感銘を受けました。

モノはパタゴニア代表のイヴォン・シュイナード(Yvon Chouinard)氏のインタビューで、そこにはこのようにあります。

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「パタゴニアはLOHASとは関係ない。(中略)パタゴニアは非常に真剣に環境保全に取り組んでいる。一方多くの人たちがLOHASの流れに乗ろうとしているが、その一部は必ずしも真剣ではないと思う。LOHASは単なるマーケティング用語だ。」

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私はLOHASについては明るくないのですが、「自然派の生き方」というようなノリで様々なものが売られているのを見るに付け、一時のブームで終わりそうな感覚は否めなかったのです。なるほど、マーケティング用語ですね。


また、この記事でもう一つ印象に残ったのは下記の一文です。

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「創業以来、ずっと企業の責任とは何かという課題と格闘し続けてきた。ビジネスとは実のところ誰に対して責任があるのかということに悩み、それが株主でも、顧客でも、あるいは従業員でもないという結果にようやく達した。

根本的にはビジネスは資源に対して責任がある。(中略)健康な地球がなければ、株主も、顧客も、社員も存在しない。」

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これはパタゴニアがアウトドアのグッズを扱うメーカーであるため、特に強く思うのでしょうが、それにしても非常に新鮮、というか、考えたことありませんでした。収益をもたらす源泉(原材料?)に対して恩返しをするというのは当然といえば当然ですが、してみれば私のようなサービス業者にとっての収益の原材料ってなんだろうか?やっぱりスタッフ?

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