家事代行のマエストロサービス > マエストロインタビュー > 株式会社キャリア・マム 代表取締役 堤香苗様
今回のお客様
2009年10月01日更新 株式会社キャリア・マム 代表取締役 堤香苗様
兵庫県神戸市出身。神戸女学院高等学部、早稲田大学第一文学部・演劇専攻卒業。フリーアナウンサーとして大学在学中よりTV・ラジオのDJ、パーソナリティーとして活躍。自らの出産・育児体験を通じて得た経験をもとに、仕事と家庭をどちらも大切にしたい女性たちに、自宅または自宅周辺におけるテレワークやワークシェアという形態でキャリアをいかす新しい働き方を提案する「株式会社キャリア・マム」を設立。現在2児の母。
今日は、キャリア・マム代表の堤香苗様にお越し頂きました。
この10年間で家事に対する考え方は変わってきました
堤以前、伊藤忠都市開発と共同で、女性が使いやすいキッチンというテーマで共同企画を行ったことがありました。その時は企画が大変好評を頂きまして、そのキッチンがあるプランから順番に、それこそ、あっという間に売れてしまったんですね。それで、何で売れたのかなと考えてみると、モデルルームに来ている主婦が、キッチンをすごく気にいってしまって、旦那さんを説得していることに気付いたんです。分かります?セールスマンはセールスをする必要無し。奥さんが旦那さんにセールスしているんですもの、それは売れますよね(笑)。これなんかは家を買う際に、家事をする人の視点というものが影響力を持つようになってきた良い例ですよ。
ベランダ不要説
堤この時、同様に「ベランダ要らない説」というのを提案したことがありました。男の方って、女性は掃除や洗濯をする時には窓を開け放って、ベランダには洗濯物を干して、布団を干してっていうイメージを持たれていると思うんですけど「いや、それはないな」って思ったんです。そういうのは思い込みであって、高層のタワーマンションに洗濯ものを干したりするってことが、だんだん少なくなると思っていたんですね。ですから、ベランダはいらないんじゃないかと提案したんです。結局それは受け入れられることはなかったんですけど、今はもうそういう状況が現実に起きていて、乾燥機を使うか、部屋の中で洗濯物を干す人の割合が、ベランダなど外で干す人の割合を逆転したみたいですね。やはり働く人が増えてきましたので、外に干しっぱなしは不用心であるとか、そのようなライフスタイルの変化が影響して、部屋干しトップだとか、乾燥機付きの洗濯機が高くても売れるようになったとか、そういうことが起きているんです。だから、そのようなライフスタイルの変化をキャッチ出来る企業っていうのが、結局生き残っていくということだと思います。
長瀬そのようなライフスタイルの変化というものを15年前にキャッチされていたといのは、すごいことですよね。
堤私たちがアンケート調査などで見ているところというのは、メジャーな部分ではなくて、変化の「兆し」が大きい所を見ているんです。つまり、(あるアンケートの結果が)0.01から0.2に変化したとしたら、それは(絶対値で見ると小さいのですが、割合としては)20倍ですよね?0.01%が2%に変化したとしたら200倍ですよね。このような要因が増加傾向にあれば、それは絶対当たるんですよ。マンションなんていうのは、洋服のように頻繁に買い替えたりするものではないので、こうした、割合としては小さいけれど、確実に起きている変化というものを捉えるというのは、大切なことなんですよね。それもあって、喜ばれたのではないかなと思います。
長瀬見えない課題を見つけるということ
そのような「見えない変化」をリサーチによって捉えられるというのは、大変興味深いですね。私は男性であるということもあり、お客様のニーズというものは手探りで探していくしかないんです。実は我々が家事代行サービスを始めた時、独身男性にニーズがあると思っていたんですね、それで、独身男性をターゲットにしてサービス設計をしたんですけど、実際には蓋をあけてみると、申し込んで来る人はほとんど女性だったんです。結局「家事」に関しての決定権を持っているのは、奥さんだったと。それで、急遽方向転換をして、働く女性をターゲットにサービスを変えたんです。これと同じようなお話で、潜在的なニーズというものは、私たちは手探りで探っていくしかないんです。すでにご利用頂いているお客様に関しては、直接お話しをすることで、そのニーズというものをある程度認識することは出来るのですが、問題は、これから利用を考えている、潜在的なお客様です。直接リーチすることが出来ないので、想像するしかない(笑)。ですから、そういう潜在的なニーズを御社のような会社の協力を得て、捉えていくことが出来るのであれば、非常に有効だなと思いますね。特に、家事サービスは現在、まだまだ価格が安いとは言えない状態で、これを一般的な家庭で気軽に使える程度に下げていきたいと考えているのですが、価格以外でも利用を阻害している原因を見つけ出して、つぶしていかなくてはならないなと考えています。